コラム

社会貢献

「仕事をするということは、社会貢献である。」

私がまだ働きに出ていたころ、
そこのオーナが言っていた言葉です。


電気メーカーは、人々の生活水準をあげて
豊かな暮らしを作り上げ
運送関係は、物を運ぶ事によって
安定した物流に貢献し、
飲食業は美味しい料理で人々の舌を満足させ、
居酒屋やスナック、はてまた風俗にしても、
一日の労働の疲れを癒したり慰めて
明日への活力を充電するということでは、
十分社会に貢献しているといえます。

私たちの職業も、ヘアースタイルを整える仕事ですが
社会に生きる人々の身だしなみを整えることを
担当している社会貢献の一部署だと思っています。

つまり社会というものを、適切に運営するために、
人々は仕事という一つの行いで
分業をして社会に貢献している訳です。
そしてその代価として、お金という報酬を頂いています。


昔、映画で「無能の人」というのがありました。
主人公が多摩川で拾った石を、売るお話です。
確かに世の中には、その石に美徳を感じて購入する人も
いるかもしれませんが、仕事が社会貢献の場だとすれば
ただの石を並べて売ることには何の意味もありません。
映画でも何にもならないことに気が付き
自嘲する主人公が描かれていました。


企業が、様々な仕事をすることによって社会に
貢献しているのであれば、
そこで働く社員の方たちも会社という場を借りて
社会貢献のお手伝いをしているのです。

最近、働く方たちの仕事への執着のなさは、
以前にも書きました。
辛くなったり、合わなくなったからといって、
気楽な気分で職を転々とする人が、
多くなってきた昨今ですが、
自分の収入のみにしか関心がないのであれば
多分何の仕事をしてもその人にとっては、
みな同じなのでしょう。

自分はこの仕事を通して、人々の役に立とうと考えれば、
自分の選んだ仕事に対して、
もっと責任感や、使命感が
生まれるのではないかと思います。

社会に望まれる人間になること、
それが本当の意味での社会人であり
「仕事をする」ということの定義であると考えます。

社会はそんな人にのみ、
「幸せ」という真の報酬を分けてくれるのですね。